義仙会(GISENKAI / TAMIYARYU)

日本の古伝を学び、後世に伝えるとともに歴史探訪、イベントの開催と参加、BBQなど各種団体との交流を行い、人生を楽しく豊かに過ごしていきましょう。 入会希望者、見学者、老若男女問いません。 こちらまでご連絡ください。 <義仙会 石原> 連絡先 e-mail:katana_hinawa@i.softbank.jp

2018年2月28日水曜日

第一回上野の杜 古武術演武祭(平成30年2月25日)

第一回上野の杜 古武術演武祭が開催されました。
開催地は上野寛永寺を背にした上野の御山公園(噴水前広場)、上野動物園の入口への通路でもあり多くの来場者で賑わいました。
参加流儀は陣貝術、戸田流兵法、田宮流居合兵術、気楽流柔術、香取神道流居合術、
森重流砲術、本格克己流十當術、円明流懐剣術、柳生心眼流兵術、天神明進流柔術  剣舞  戸山流抜刀術、剛柔流空手、琵琶と剣技。
百数十年前、この地で官軍と幕府軍の戦がおこなわれた。すぐ後ろの輪王寺の山門には火縄銃の弾痕が今も生々しく残っている。
戦の怒号と武器の音が聞こえるようだ。
上野清水寺の境内には今にも抜け出して来そうな合戦中の兵士達の戦絵が掛けられている。
義仙会士による陣貝(ほら貝)の音が鳴り響き、上野の杜 古武術演武祭  が開戦された。
各流派が日頃磨いた技を繰り出している。
見事な技は修練の賜物であり多くの観客を魅了した。
義仙会は「陣貝術」「田宮流居合兵術」「森重流砲術」「剣舞」「薩摩琵琶と剣技」そして「時代行列」を演武。
「田宮流居合兵術」は上野の御山にシッカと立ち振る舞う立技での演武、
もともとは流祖が戦場でその名を馳せた剣技兵術である。
甲冑組太刀による実戦兵術は豪壮な技を持って迫力ある技を披露した。幾度も稽古と演武を重ねてきた技に安定感を感じた。

「森重流砲術」は島津師範の下で連綿と稽古と演武を重ねた形の披露は円熟味を感じた。
砲術の形の演武は人の目に触れることが少ないこともあり観客の皆様が深い興味を持ってその眼差しを演武に向けていた。
「剣舞」は林剣士のもと馬場 藤沢 後藤の各剣士が何度も何度も下ざらいを繰り返し稽古に励んで来た。
早い曲調でいきなり観客の目を集める。
そして漢詩「偶感(西郷隆盛作)」の吟詠による居合の形、再び壮大な曲調の中で雄大な操刀をもって演者四人が息を合わせて構えの納め。
四人の息がまとまった本邦初公開の剣舞は見事と言わざるを得なかった。
「薩摩琵琶と剣技」は日本琵琶コンクールの優勝者でありNHK会長賞を受賞された古澤史水琵琶師、曲目は「彰義隊」。
(1868年徳川慶喜公の新政府軍への恭順に反対し結成された。江戸城開城後この上野の御山 寛永寺を拠点に明治新政府軍と抗戦したが実らずに壊滅した。)
琵琶の音の中、往時の隊士の想いが乗り移り古澤琵琶士の周りに義仙会兵術士が備えられていく…  
曲とともに剣技で敵と対峙  そして火縄銃による応戦…   
「残る勇士の面々は これまでなりと剣に伏し 筒をおしあてて死するもあり」… 
「げにや星霜…彰義隊士の墓所」…土の下に眠る彰義隊士が義仙会兵術士に乗り移り 戦の場を清めつつ戦場を去っていきました。
古澤史水先生  素晴らしい琵琶の演奏 有難うございました。

「時代行列」 時代考証の雄である島津兼治師範指導のもと 参加団体全員による行列は会場内を周り多くの観客の中を練った。
先鋒は義仙会長塚が総奉行となり、華を飾らせて頂いた。
たくさんのカメラのシャッターが押され 「すごい!」「写真!写真!」の連呼。
来場客の皆様の素晴らしい記念になり我々も大いに喜びを感じた。
日本国内の古武術界の大御所が率いる各団体による演武祭であった。
親交の深い四団体、武備舎  竹翁舎 誠斬会 義仙会の各代表の先生方が数十年の長い時間培って来た深い信頼関係に基づいた揺るぎのない協力のもと、実行委員長ほか関係者の皆様との友好的な協調尽力によって初めての開催(第一回)を納めることが出来ました。
開催の労を担った主催者と参加者および関係者の皆様に心から感謝と御礼を申し上げます。

<記  長塚>