目黒区の蟠竜寺にて「刀よもやま話」という題名で講演をさせて頂きました。
いつもながら心身に浸み込む講座にするべく「見て 触れて 使って 」の体感型講座としました。
開講前に全員本堂に集まり、吉田副住職による熊谷次郎直実と平敦盛にまつわる法話を頂戴し、人の世の刹那に心を揺さぶられました。
その後、畳敷の趣のある庫裏に全員移動し「刀よもやま話」の開講。
先ずは「刀の構成名称とそれに関わる刀の由来語」を資料と実物の刀を用いて説明、そして切羽詰まった状況を鎧武者にて実演して説明。
会場から拍手が起こりました。
神秘なまでに鍛え上げられた刀も、刀同士の強烈な打撃においては、受け方によって刀身が曲がってしまうことを実演してご覧頂きました。
そして折れた刀と曲がった刀が敵に相対した時にどうなるのか、参加者に体験して頂きました。
折れた刀では攻撃力が全くありません。曲がった刀は即座に攻撃可能な形に戻すことが可能です。
刀の構造は、中は柔らかい心鉄、外は固い皮鉄という構造になっており、曲がっても折れにくい刀は優良な刀とされています。
刀対遠戦兵器、抽出した史料では刀傷は10%以下であり、有効性が必ずしも高いとはいえません。
しかしながら身に付けて携行出来るという利便性において優れた武具であることは間違いありません。
次に、刀の拝見、見所の説明を交えて実際に拝見をして頂きました。
打ち粉で刀油を拭き取り、鉄地などご覧頂きました。
皆さんとても熱心に拝見されていて、アッという間に時間が過ぎました。
最後は、田宮流居合術の五つの形をご紹介させて頂きました。
大勢の参加者の皆様に「刀」という武具に改めてたくさんの興味を持って頂けたことに感謝し、講座を納めました。
講師/長塚
助手/所、石原、馬場、佐藤