伝書(指導書)には謂わずとその得物(武器)と身体の使い方、
操作方法が書かれており、とても参考になります。
折に触れて目を通すと再確認が出来、また新しい気付きも
与えてくれます。しかしながら、武術の動きを文字化するのは
不可能に近いものがあります。
操刀の動きには手の内に代表される千変万化の使い方や
心のやりとりから生まれる身体各部の心応する微細な動き・
見えない動き・見せない動きなどがあり、
文章で同時に動く複数箇所の部位と心中の有り様を
一括りに表現するのは困難です。
たった3行の文章といえども、その文章に表現されていない
表現を読み解かねば間違いの原因ともなりかねません。
表しきれない奥深い内容を理解することが肝要です。
それ故に伝承文化の深奥は「口伝」でなければ伝わらないのです。
「習い大事」の言葉通り、高段位になればなるほど、
直接、師に教えを頂くことが大切なのです。
稲妻の抜き付けから上段への構えにおける手首と手の内の
使い方、納刀のツボについて稽古を行いました。
長塚 二村 石原 古山 林 太田
記 / 長塚