「鞘放れの妙」…大切な中でも大切なことには特別な呼称が付く、鞘放れもその一つ。
丁寧に律に従って刀身を鞘から抜く…抜く瞬間に妙がある。
切先先端から三寸ほどでその勝負は決まる。
左の使い方、反作用的な身体操法、右手の手首•指関節の正確な使い方。使い方は密技である。
奥伝はたくさんの密技を修得し全く分からぬようにほんの僅かに使うモノである。
決してこれ見よがしに使ってはならない。
密技は文字ではなかなか書き表せない。稽古でおこなう細かな技法の伝授は宝物である。
長塚 石原 藤沢 佐藤 古山 林 太田 大西
記 / 長塚